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2005年2月6日

2005.02.06

昔のこと

光が激しく点滅する、身体に響く音楽がドラムが狭い猥雑な室内に鳴りこだまし、そして壁から壁へと伝わっていく
そんな中で俺はさっきから女の身体に手を回し、足でリズムをとって踊り続ける、女はすっかり興奮して両手を俺の首に投げ顔一杯に喜びを示して俺に合わせて身体を揺する
ビンビン響く不協和音そしてけたたましい光と色彩、俺の普段の俺でなく何か遊び人の気持ちになり軽く快い気分になっていった

しっとりとした雨が外を包み、この車内にはひえびえとした冷気が忍び込んでいる、隣のシートで女はすっかり安心して寝込んでいた、私はそっと背広を脱いて女の足にかぶせてやった、朝の薄く暗さもずっと明るくなったが、この広い通りには人も車のまだ目覚めていないようだ
昨日の夜からの遊びもこの朝でとうとうしまいだ、俺はそっと隣の女にキスをした、女はうつつにキスを返して手を俺の首にまわす、急にすごく女が可愛くなって俺は顔中にキスの雨を降らせた、女は『あー』と言って夢中で俺を抱きしめてきた、そのまま二人はじっとしていた

俺は女の手をはずし身体を起こして車のキーを回した
   『 楽しかったね 』 『ええ』
それだけの会話で二人はすべてを悟っていた
車は朝の雨の中を静かに走り出した 1972.5

やーさん日経の 愛の流刑地 を呼んでふっと昔のことを思い出しました

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